| 滲出性中耳炎について |
| 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)とは中耳に水がたまったものです。この水は滲出液といわれからだのなかにある水分で、やけどなどでできた水ぶくれもこの滲出液です。 耳管は中耳の気圧とまわりの気圧にあわせるはたらきがあります。かぜをひいたりして耳管のはたらきがわるくなると、気圧のコントロールが十分できなくなります。このため中耳の気圧がだんだん低くなって鼓膜はわずかにくぼんだ状態になります。この状態が続くと中耳に滲出液が染み出てきます。 液体が貯留した結果、難聴・耳閉管・耳鳴りおよび自分の声が耳に響くなどの症状が起こります。 |
【症状】
大人は、山に登った時の耳がつまったように感じや、難聴を訴え、耳に栓をしている様なつまった感じを伴い、自分の声が耳に響く感じがしたり、耳の中で水の音がしたりします。
【治療】
抗生物質や消炎酵素剤などを内服し、滲出液がたまらないようにします。そして「耳管通気」という耳管に空気を通して広げ、滲出液が抜けやすくなるための治療を行います。
2、3ヶ月間そのような治療をして、滲出液が抜けないようなら鼓膜を切開して滲出液をだします。また鼓膜ドレーンという小さなチューブを鼓膜に挿入して滲出液がたまらないようにすることもあります。半年から1年、長いときは2年くらい入れ、滲出液がたまりにくくなってからドレーンを抜くと鼓膜はきちんとふさがります。
| 急性中耳炎について |
| 中耳に細菌やウイルスが入り、急性の炎症がおきて膿がたまる病気です。かぜをこじらせたときなど、鼻やのどの炎症に引き続いておこることが多く、細菌やウイルスが耳管を通って中耳に炎症をひきおこします。さらに中耳の内圧が高まると鼓膜の一部が破れて、外耳道に流れ、耳だれになります。 大人の場合は重症化、難治化することは比較的少ないですが、乳幼児、特に保育園などでの集団保育を受けている場合には何回も再発し、重症化、難治化することがあります。 |
【症状】
はげしい耳の痛み、発熱、耳だれ、耳がつまった感じ、きこえにくさなどを感じます。小さい子供では痛みを訴えられないために、機嫌が悪く泣いたり、頻繁に耳をさわることがあります。
【治療】
初期の場合は抗生物質や消炎鎮痛剤で治療していきす。膿がたまって鼓膜がはれ、痛みが強いときや、高熱が持続する場合は、鼓膜を少しだけ切って、膿を出すと早く治ります。鼓膜は切っても、傷は通常数日でふさがりますので、たいていは心配ありません。
放置すると急性中耳炎を再発や、鼓膜の穴の閉鎖不全、難聴の原因となる滲出性中耳炎に移行することがありますので注意が必要です。
近年では、抗生物質に対して抵抗力を持った細菌が原因の急性中耳炎が問題になっており、抗生物質の使い方には注意を要します。
| 慢性中耳炎について |
| 急性中耳炎や浸出性中耳炎、または鼓膜外傷などが完治せずに、鼓膜に穴が開いたままの状態を指します。 鼓膜は、本来再生能力の強い器官であり、生じた穴はたいてい自然に閉鎖しますが、炎症の長期化等の原因で閉じないことがあります。 正常の鼓膜とは異なり、慢性中耳炎の耳では外耳道から中耳腔へと細菌の侵入が簡単に起きるので、感染をくり返し起こすことが多いです。 |
【症状】
もっとも多く見られる症状は、耳だれと難聴です。耳だれは感染のある時のみに見られるので、断続的です。難聴はゆっくりと進行することが多いのですが、急性中耳炎に見られるような耳の痛み、発熱はほとんどありません。
慢性中耳炎の中には、耳だれが絶えず出ているものから、ほとんど自覚しない程度のものまで種々あります。
【治療】
症状が軽い場合には抗生物質の服用、局所の洗浄によって治療を行います。また点耳をして炎症を抑えることによって耳だれを止めることもあります。感染の慢性化の要因を明らかにし、耳を乾燥させる保存的治療が先決で、その後の経過に応じて手術的治療が必要となる場合があります。